2010/01/19▼
2010-01-19▼
手厳しいけど・・・
自分は「死別シングル+父子家庭+アラフォー」の一人です。
そろそろ人生の折返し地点、「おひとりさまの老後」という事態も想定しておかないといけないかなと思ってました。
前著がどちらかというと女性寄りの内容との書評をみたので、そのうち読んでみようと思っていましたが、
その名も「男おひとりさま道」というタイトルだったので、早速購入し、読んでみました。
著者はジェンダー研究のパイオニアだけあって最初からかなり手厳しい。
第1章を読んでると、この先を読み進めるのが嫌になりそうなほどでした。
でも、大事なのは2章以降。
年齢を重ねて老いていくという変えようがない事実。
最後にはどうしても人の手を借りなければならない(介護)という現実。
これは男でも女でも変わらないこと。
それを踏まえたうえで、「ひとり」でも暮らして死んでゆくにはどうすればいいか、どういう心構えが必要かということを教えてくれます。
詳しくはネタバレになっちゃいますので、本書の「男おひとりさま道 10か条」を参照してください。
自分も「かわいげのある」男おひとりさまになれればいいかなとも思います。
・・・が、すみません。
「おひとりさまですが、それがなにか?」と割り切れるほど、自分は出来た人間ではありません。
やはりどこか虚しさを感じてしまいます。
「おひとりさま」も視野に入れつつ、もう少し悪あがきしてみようかなと思います。
2009/12/21▼
2009-12-21▼
味わいのあるキーワードで、明るい未来へ
どうしてもこの手の本は、「男は…で、女は…」という書きぶりになってしまうようです。女と男はカラダは違っていても、ココロはそう違わないと思っている私にはなかなかスムーズには浸透していかないのですね。
やもめでも、まさに花が咲くように身の回りを整えている男性もいますし、片付けられない女性の部屋にはウジがわくでしょう。
まあ、学問として分析し、体系化するには仕方のないことでしょう。最小限のステレオタイプ化は、アカデミズムの中では必要不可欠であることを実感します。
この分野の解説書が、この国で多くの読者に手にとってもらうには、とりあえずは典型的な性別役割分業カップルをモデルにすることが必要です。社会学者には罪はありません。
しかし、これが法律学者の場合には罪があります。なぜならステレオタイプ化が、それに全く当てはまらない人の人生をも拘束し、破綻させるからです。
「下り坂のノウハウ」、「弱さの情報公開」、「おひとり力」、「ゆる友ネットワーク」、「純粋異性交友クラブ」など、ユニークで味わいのあるキーワードがちりばめられた明快な書きぶりに、男性たちは苦笑し、やがて激励されていることに気がつくでしょう。特に太字で強調されたくだりは、名言の響きがあります。
もっとも私としては、「夫には競争社会を降りることを許さず、自らはありあまる時間を使って着々と女縁を築いてゆく無業の妻」を批判する視点もほしかったと思いますが、それはこれまでの著書でさんざんやってきたので今さらということでしょうか。
著者ご自身も直面しつつある問題であるためか、最新の介護マーケット事情など、第3章以降にはかなり実用的な記述もあります。早くも問題に直面している人は、大いに参考にするといいでしょう。
などと、現在そこそこ大きな企業に勤務しているのに、半ば人生をオリているため社縁はゼロに近く、日常生活の9割がたが選択縁で構成されている、老親を抱えた中年男(=おひとりさま予備軍)の私は感じました。
2009/12/17▼
2009-12-17▼
希望の書
本書は希望の書である。男がひとりでも安心して死ねそうだと思わせてくれるからだ。
「要介護になって、単身で、在宅で、暮らせるか?/さらに単身で在宅で死ねるか?/できる、というのが、わたしの考えだ。」(159頁)
「男おひとりさまに生きる道はあるか?/ある、というのが本書の答えである。」(216頁)
「在宅ひとり死は可能か?/イエス、というのが、答えである。」(240頁)
もちろんそれには、必要条件があって、それが満たされないといけない。しかし、希望はあると信じさせる先行事例が豊富に紹介されているから安心して読める。私たちはそのことを周囲の人に語って事例を増やすようにしよう。
著者は、両親の晩年とその死の状況について本書で明かしている。52頁から56頁、飛んで244頁あたり。そこを拾い読みしておくと、著者の原点が分かって本書を深く読めるであろう。ことに父親との関係を読み取るのがいい。東京に住む著者は、父親を遠距離介護した。あるいは東京に引き取って世話する選択もあったであろう。しかしそれは、父親の自立しての死を妨げると考えたか。自身の体を痛めても遠距離介護を貫いた。それが子の務めと心引き締めていたように評者は思う。
評者は、76歳、69歳の連れ合いと暮らしているけれども昼間はいないから「男セミおひとりさま」のようである。望むべくは誰にか在宅看取りをしてもらいたい。本書がそのための社会的環境整備に弾みをつけるものとなってくれるようにと切に思う。
2009/12/12▼
2009-12-12▼
男おひとりさまの現実を見せてくれる本。ひとりで無事に死ねるか?
離婚や死別、あるいは、生涯シングルの男性が増えている。
定年や退職で会社人生を終えてから、さあ、どうやって生きようか?
普段考えて来なかったが、その厳しい現実を見せつけ、アドバイスをくれる本だ。
第2章 下り坂を降りるスキル
(生き生きと暮らすシングルの先輩の共通点は、出世していないこと)
第3章 よい介護はカネで買えるか?
(お父さん、悪いけど施設に行ってね。と言われたら、そこは出口の無い家)
第4章 ひとりで暮らす (男おひとりさま10か条)
(1.衣食住の自立 4.過去の栄光を誇らない 5.女性の友人には下心をもたない...)
第5章 ひとりで死ねるか
(在宅ひとり死の条件は、巡回訪問介護、訪問看護、終末期医療(いずれも24時間対応))
ぽっくり死ぬ、なんていう希望は、宝くじにあたるよりも低い確率かもしれませんね。
2009/11/30▼
2009-11-30▼
「おひとりさまの老後」より面白い
正直言って前作「おひとりさまの老後」より面白かったです。それは私が男性であるからかも知れません。
前作が「男の方のことなんか知るもんか!」というスタンスであったように思うのです。
しかし、さすがこの著者となると違います。「男の方のこと」を中心にこの本は述べてくれているのですもの。女性に都合のいい点を挙げて現実の社会を論じるなんて無理だということを上野さんはお分かりなのですね。
介護の現場(コストとサービス)を分かりやすく述べているにのも好感が持てました。なぜなら自分にも、同年代の知人にも要介護の母上がいる人が多く、ハウツーというか心構えというか、すぐに役に立つ部分も多かったからです。この部分の文章のあたりは、なぜか男女の枠を超えた表現がなされていて、単なる前作の「男ヴァージョン」ではないことに読者は気づくでしょう。キャリアウーマン姉妹で母上の介護をしている方を私は知っています。女性の方にもおすすめします。ただ、「キン○マ」なんて言葉も出てくるので……。
自分が一番考えたくないことを平易な文章で切り開いた著者に感謝します。前作「おひとりさまの老後」は読み終えたのではありますが、持っている必要が感じられず、ただ同然の買い取り価格で街の古本屋に売ってしまいました。